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過払い金今昔物語コラム

「過払い金」今昔物語

「過払い金」今昔物語
過払い金の認識が変わった現在の事情

「過払い金」を取り巻く環境の変化と盲点

消費者サポートセンターとして活動を始めた頃には「過払い金」なる概念があまりなく、裁判所も同様であったと思います。

よく相談に来られた方の話を伺いながら、抱えている債務額を考えれば「自己破産」しかないと考え、弁護士事務所を訪れていましたが、先生が受任・介入後、債務調査をすれば「自己破産」どころか「過払い金」の返還で全てが解決するようなケースが度々起こり、認識を変える結果となりました。

特にその当時、クレジットカードしか使っていない相談者の間にも「過払い金」が多く発生し、クレジットカードの恐ろしさを感じる事態を迎えました。サラ金(消費者金融)が悪者のイメージは多大にありましたが、盲点となったのが、クレジットカードのキャッシングでした。(正直、大変な勉強になりました。)

「過払い金」について多くを学んでいた当時、本当に簡単に返還されていた事も事実です。今のように裁判をしない限り返還してこない会社(今では、裁判をしても平気で返還しない会社もあります)があったわけでもなく、大手であれば直ぐに満額若しくは満額に近い金額を返還していました。この状況から比較的早く問題解決でき、本当に生活再建が進められていました。(過払い金が今後の生活の糧になるのは当たり前です)

先に述べたように裁判所にも「過払い金」の認識がない状況では、取引が多少長い債権者があっても「過払い金」の調査を指摘される事もない為、スムーズな解決がなされていました。(債権者全体の中で1社や2社、古い取引があるのは当たり前です。この1社や2社の過払い金調査を指摘され、あれば取り戻しを行う必要があり、金額によっては管財事件になる仕組みでは、どんどん問題解決までの時間を費やし、債務者の精神的負担が大きくなると言わざるを得ません。)皮肉なものです。

裁判所から必要に応じて過払い金の回収(返還)を指摘されると任意の交渉で返還してこない場合「不当利得の返還請求」所謂「過払い金」の返還について争う状況になります。裁判の為の裁判になりますね。

「過払い金」を取り巻く環境はどんどん変わり、一時は弁護士や(認定)司法書士の商売の餌食になっているようにも見えました。

この時期を境にサラ金・街金の類が倒産・廃業するようになり「過払い金」の現実的な回収が困難になってきました。もちろん、現在は、低率和解しない限り、裁判をおこす必要があります。

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