「利息の払いすぎ」「過払い」「違法金利」など、最近はよく目にしたり聞いたりしますが、本来債務者(借り手)は、このような事を知っていたのでしょうか?当初、借りる時にはほぼ出資法の上限(29.2%)で借入れをしているケースもよくありました。大変な高利を払い続けた債務者の方は本当に多数おられます。返済を行う為の借入れでどんどん借金が増え続けた事実があり、「借金」を「借金」で支払う構図ができあがったのです。
このような状況下、高金利や過剰融資問題などを踏まえ、金融業を取巻く環境は激変します。金利引き下げ運動を中心に改正貸金業方が公布され平成23年6月に完全施行されました。公布から完全施行までの間に速やかに金利の引き下げを行った業者もありましたが、ほとんどが高利のままで完全施行日を迎えたのです。
このような時代背景の中、企業の利益優先を許さず、金利引き下げを中心に消費者保護活動をされている司法関係者(弁護士など)や学者の先生方のご尽力により多くの判例(裁判の結果)を積み重ね、出資法(上限29.2%)が違法金利となり、現在の「過払い金」を生み出したと言っても過言ではありません。
ここ数年、金融業界との戦いは熾烈を極め、多くの裁判結果に一喜一憂してきました。こうした戦いは揺ぎ無い信念をお持ちの先生方にしかできず、生み出された判例を利用し、安易に報酬を得る事ができる「過払い金」目当ての司法関係者を生み出した事もまた事実です。
クレジット・サラ金会社の利益が、弁護士・司法書士の利益にすげかえられたのでは本末転倒で意味がありません。
「過払い金」を巡っては、大変な苦労をしながら払い続けた債務者の手元に戻る事が何より大切で生活再建の手助けになる事を祈るばかりです。
実際に手続きを行う弁護士や司法書士の皆さんには、決して、多重債務者を食い物にする事なく、今後の生活を最優先に考えていただきたいです。
特定非営利活動法人 消費者サポートセンター 理事長 用山恵子
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